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昭和28年8月。
2階の4畳半のその部屋いっぱいに漫画の原稿が乾かしてあり、
執筆道具、羽、墨汁などが並んだ机に向かう漫画家 先生(小泉)がいる。
アパートの部屋の前では、各社の担当編集者たちが先生を見張っている。
驚異的な数の連載を抱えている先生本人はもちろん、編集者たちも徹夜だ。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな中、富山から、期待の新人漫画家アビコ(根本)が訪ねて来る。
喜び招き入れ、アビコにも手伝ってもらい作業は進むものの、

先生の筆がとまってしまう。
電車の時間があるからと帰るアビコと入れ違いに訪ねてきたのは、
ライバル漫画家フクイ(由川)だった。
漫画を侮辱した、見損なったぞ、と詰め寄るフクイに、返す言葉がない先生。
そこに西山が息を切らせて戻って来る。
なんと、

さっき完成した原稿をなくしてしまったのだと言う。
 

辻(吉舎)は、他社のベテラン編集村井(高比良)や山本(上杉)、新人編集平田(森下)たちの目を盗み、先生奪略に成功する。
怒り困り果てる編集者たちによる必死の捜索により、先生と辻は御用となるが、

今度は西山(宮浦)が他社を出し抜き、完成原稿を手にする。
とはいえ、先生の神がかりな筆の早さで、各社の原稿は完成目前である。

何日もカンヅメで寝ずに描いた挙げ句がこれか、やってられるか、と

アパートを飛び出す先生。
黒いマントに身を包む男(本多)と、赤いリボンをつけた女(さとう)が見守る中、遠くで雷が鳴り、激しい雨が降り始める。

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