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これまた記録の少ない公演です。
このときの美術は小林奈月さんにやって頂きました。
関西から鞄一つで上京してきてそのまま加藤ちかさんに弟子入りしてしまったというつわものです。

 

舞台は北海道へ向かう寝台特急の車内。
7人の詐欺師がだまし、だまされる密室コメディです。
この電車の装置がかっこよかったのです。ご紹介できないのが残念です…
映画化もされたのでご存知の方も多いと思います。

車内という設定はもとより北海道への行きと帰りというのがミソです。

行きは夏で詐欺の計画をしており、帰りはその仕事を終えた秋で、

北海道での仕事の間に人間関係が微妙に変化しています。
その中で売上が盗まれるという事件がおき、

一体誰犯人なのか…、という詐欺師の騙しあいがはじまります。
登場する詐欺師の手口は不当に高額な値で羽毛布団を売りつけるものでした。
しかもお年寄りがターゲットという、卑劣極まりない集団です。
このように土田さんの作品はだいたいどうしようもない人たちが主人公です。
同期の高井君演じる久津内も、いい人間で理想家のような人物ですが、

とにかく詐欺師なのです。
他の登場人物たちもわがままで、自己中心的、人の気持ちを顧みず、

そのくせ批判、不満ばかりを口にする…。
どうにも救いようのない人たちばかりですが、土田さんの手にかかるとなんとも憎めない人たちになるのが不思議です。
ちかごろの作品ではないのですが初期の作品にはよく、独特のゲームが出てきます。
このときはお話リレーで作るというもので、稽古中や本番前にも良くやりました。
電車が舞台ということで、北海道行きの寝台列車を大宮駅に見に行った事を思い出します…。
北斗星とカシオペアが当時ありましたが、想像以上に豪華で資料を見ているだけでのりたくなりました。
なかなか高額ですので無理でしたけど。
客演が岡村まきすけさん以外は皆研究所の同期で不思議な感覚でした。
鈴木くんはこれが最後の舞台で、現在は就職して大阪でバリバリ働いてます。凄く面白い役者さんだったので残念でしたが最後に一緒に芝居ができてよかったと思います。
このとき小泉さんは某劇団研究所に所属しており、内緒で出てくれました。
DMのはがきでは「がんのす」と名乗ってます。

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