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第一幕 パンドラ


 事件の重要参考人として精神鑑定を受けている佐藤(小泉)。

 彼の営む時計店で大量の血痕が発見され、妻えみ子(真保)が行方不明になっていたのだ。

 えみ子の行方も知らず、「殺したかもしれない」と語る佐藤は、一人の人格・ボブ長谷川(本多)を持っていた。

 佐藤がいつからボブ長谷川を感じるようになったのか医師(白州)が探っていく。


 離婚暦のあるえみ子を妻に迎えた佐藤は穏やかながら幸せな生活を送っていた。

 しかしある時期から妻が外泊し、店の売上や株券に手を出すようになった。

 そして彼の唯一のよりどころである宮家からの預かり物の時計にまで手を出し佐藤を捨てて男と逃げようとしたえみ子を殺したと、佐藤は告白する。

第二幕 もう一ラウンド

 

 元ボクサー秋山(本多・二役)は留置所にいたところ、かつてチャンピオン挑戦をかけて戦った川村(金子)と再会する。

 近況を語り合う二人。

 同棲していた明美(さとう)に逃げられ、明美がおいていった子供を人に預けており、心配だと話す秋山。秋山が逮捕されたのは元妻の殺人容疑だった。

 若くしてボクサーを引退した苛立ちから元妻を殴り流産させた秋山は、自責の念から彼女と別れた。

 数年後たまたま入った時計屋で、元妻えみ子と再会する。

 借金があると嘘をついた秋山に、店の金を貢ぐえみ子。

 時計しか興味のない夫との生活から逃げ出したかったえみ子は、連れて逃げて欲しいと秋山に懇願する。

 一度は承諾した秋山だが、自分は身を引こうと考え直し、「女房と子供がいる」と嘘をつく。

 逆上したえみ子はナイフを振り上げた…。 

vol.3「箱の中身」

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